要点
- WHOは禁煙のためにニコチン置換療法、バレニクリン、ブプロピオン、シチシンを推奨しています。
- 試験では、バレニクリンと2種類を組み合わせたニコチン置換療法が特に効果的な選択肢でした。
- 使える薬は国によって異なり、シチシンは米国でFDAの承認を受けていません。
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要点
成人の禁煙を助ける効果について十分な根拠がある薬は、ニコチン置換療法(ニコチンパッチやニコチンガムなど)、バレニクリン、ブプロピオン、シチシンの4種類です。世界保健機関(WHO)は2024年7月に公表した、たばこをやめるための初の臨床治療ガイドラインで、この4種類すべてを推奨しました。米国とプエルトリコで禁煙のために米国食品医薬品局(FDA)が承認している薬は、ニコチン置換療法、徐放性ブプロピオン、バレニクリンです。
すべての人に合う一つの薬はありません。選び方は、住んでいる国や地域で使えるかどうか、ほかの病気や服用中の薬、避けたい副作用、費用、これまでに試した方法によって変わります。このページは、医師や薬剤師と相談するために選択肢を比べるもので、処方の代わりではなく、用量も示しません。
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薬ごとの比較
以下の比較は、少なくとも6か月後も禁煙が続いているかを調べた無作為化試験をまとめた、2023年のコクランレビューに基づいています。相対的な結果は、比較対象よりどれだけ禁煙しやすかったかを示すもので、あなた自身が禁煙に成功する確率を示すものではありません。
| 薬 | 形 | 根拠が示していること | 相談したい点 |
|---|---|---|---|
| ニコチン置換療法 | パッチ、ガム、トローチ、吸入器、点鼻スプレー。2種類を組み合わせる方法もあります | WHOが推奨し、FDAが承認しています。バレニクリンは1種類だけのニコチン置換療法より効果的でしたが、2種類を組み合わせた場合とは明確な差がありませんでした(確実性の低い根拠)。 | 自分の喫煙のしかたに合う形はどれか。2種類を組み合わせるのが適切か。 |
| バレニクリン | 飲み薬 | プラセボと比べて禁煙できる可能性が2倍以上になり(確実性が高い根拠)、ブプロピオンや1種類だけのニコチン置換療法より効果的でした。 | 最も多い副作用は吐き気です。厚生労働省の情報サイトは、めまいや眠気による事故の報告があるため、服用中は運転を控えるよう説明しています。 |
| ブプロピオン | 徐放性の飲み薬 | WHOが推奨し、FDAが承認しています。直接比較した試験では、バレニクリンを使った人のほうがブプロピオンを使った人より禁煙しやすい結果でした。 | ほかの病気や服用中の薬と合わせて使えるか。 |
| シチシン | 飲み薬 | プラセボより禁煙できる可能性が約30%高くなりました(中程度の確実性)。2件の試験では、バレニクリンと明確な差はありませんでした(確実性の低い根拠)。 | 住んでいる国で承認され、入手できるか。米国ではFDAの承認を受けていません。 |
コクランレビューでは、バレニクリンを使った人は使わなかった人より、重い有害事象を報告することがやや多いとみられる一方、心臓や精神面の事象については、利益と害のどちらの可能性も否定できない結果でした。こうしたバランスがあるため、薬の選択は自分の病歴を知る医療者と相談して決めることが大切です。
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薬は支援と組み合わせると効果が高まる
WHOのガイドラインは、薬と行動面の支援を組み合わせると禁煙の成功率が大きく高まると述べています。支援には個別、集団、電話でのカウンセリングがあり、WHOはテキストメッセージ、スマートフォンのアプリ、インターネットのプログラムも、補助やセルフマネジメントの手段として挙げています。米国予防医療専門委員会(USPSTF)は、薬と複数回のカウンセリングを組み合わせた治療を併用療法としています。
実際の計画には、禁煙開始日または段階的に減らす計画、吸いたい気持ちやきっかけへの対処法、最初の数週間での経過確認が含まれることが一般的です。薬を通常どのくらいの期間使うのか、吸ってしまったときにどうするか、効果をいつ見直すかを確認しましょう。より広い禁煙計画の立て方は、このサイトの禁煙のガイドで説明しています。
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副作用と安全面で確認すること
どの薬にも副作用の可能性があり、その内容は薬によって異なります。バレニクリンで最も多いのは吐き気で、多くは軽度から中等度で、時間とともに治まります。シチシンでは、コクランレビューでプラセボと比べて重い有害事象に明確な差はみられませんでしたが、根拠の確実性は低いものです。禁煙補助薬を使っている間に、気分や考え方、行動の大きな変化、胸の痛み、強い息苦しさ、重い反応が現れたら、すぐに医療機関を受診し、処方した医師に伝えてください。
使い始める前に個別の助言が必要な場合もあります。USPSTFは、妊娠中の禁煙補助薬の利益と害を評価するには根拠が不十分だとしており、まず行動面の支援から始めることが推奨され、薬を使うかどうかは妊娠を診ている医療者が判断します。電子たばこを禁煙に使うことについても根拠が不十分だとし、効果と安全性が確立した治療を使うよう促しています。
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住んでいる地域で使える薬
承認、供給、費用の補助は国によって異なり、時間とともに変わります。特定の製品を前提にする前に、地域の最新情報を確認しましょう。以下は、このページを作成した時点で公式情報から確認できた内容です。
- 日本:厚生労働省の情報サイトによると、禁煙外来ではニコチンパッチとバレニクリンが処方され、ニコチンガムとニコチンパッチは薬局・薬店でも販売されています。同サイトのバレニクリンのページ(2024年3月更新)では、2021年6月からバレニクリンの出荷が停止しており、その間はニコチンパッチを使った保険診療で禁煙治療を受けられると説明していました。現在の供給状況は禁煙外来に確認してください。
- 米国とプエルトリコ:ニコチン置換療法、徐放性ブプロピオン、バレニクリンがFDAに承認されています。シチシン製剤のシチシニクリンは承認されておらず、2026年6月に製造元が、有効性や安全性ではなく製造と表示に関する審査完了報告通知をFDAから受けたと発表し、再申請を予定しています。
- その他の国:シチシンが承認されている国とそうでない国があります。WHOが推奨する薬のうち、どれが使えて費用の補助があるかを薬剤師や医師に尋ねてください。
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医師や薬剤師に確認したい質問
服用中の薬と持病、これまでに試した禁煙方法をまとめて持参しましょう。次の質問は、薬の比較を自分に合った計画に変えるのに役立ちます。答えは書き留めて、次の受診時に見返せるようにしておきましょう。
- この中で、私が使えて保険や補助の対象になる薬はどれですか。
- 私の持病やほかの薬を考えると、どの薬が合い、どれを避けるべきですか。
- ニコチン置換療法は1種類だけ使うべきですか、2種類を組み合わせるべきですか。
- どのような副作用が予想され、どの症状が出たら受診すべきですか。
- どのくらいの期間使い、いつ経過を見直しますか。
- 薬と一緒に、カウンセリングや電話、アプリによる支援を利用できますか。
情報源
- WHO releases first-ever clinical treatment guideline for tobacco cessation in adultsWorld Health Organization · 2024出典確認日:
- Nicotine receptor partial agonists for smoking cessationCochrane (Livingstone-Banks and colleagues) · 2023出典確認日:
- Tobacco Smoking Cessation in Adults, Including Pregnant Persons: InterventionsUS Preventive Services Task Force · 2021出典確認日:
- Quit-Smoking MedicationsCenters for Disease Control and Prevention · 2024出典確認日:
- 禁煙補助薬バレニクリンの使い方Ministry of Health, Labour and Welfare (Japan), e-healthnet · 2024出典確認日:
- Achieve Life Sciences Receives Complete Response Letter from FDA for Cytisinicline NDAAchieve Life Sciences (company announcement) · 2026出典確認日:
改訂履歴
- 自動化支援により英語・スペイン語・日本語の初稿を作成しました。記事全体について、引用した情報源を2026-10-25T03:09:11Z(UTC)に確認しました。公開・作成には現在の日時を用い、過去の公開日は設定していません。独立した臨床レビューの記録はありません。