要点
- 1つの検査では確定できず、腺の働き、自己免疫の所見、経過をあわせて判断します。
- 抗SS-A抗体が陽性でもそれだけで診断はされず、陰性でも否定はできません。
- 分類基準や診断基準(ACR/EULAR 2016、日本1999年)は医師の判断を助けるもので、判断の代わりにはなりません。
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1つの検査では決まらないため、複数の検査を組み合わせる
シェーグレン症候群(シェーグレン病)を1つの検査だけで診断することはできません。米国国立関節炎・筋骨格・皮膚疾患研究所(NIAMS)は、診断は涙腺や唾液腺がどれだけ働いているか、自己免疫の所見があるかによって判断されると説明しています。医師はまず、目や口の乾きがいつから続いているか、毎日あるかなどの経過を聞き、眼科の検査、唾液の検査、血液検査、場合によっては生検や画像検査を組み合わせます。乾燥の原因となる薬などのほかの要因も確認します。
診断は主にリウマチ・膠原病の専門医が担当し、一部の検査は眼科医や歯科医が行います。このページでは、それぞれの検査が何を調べるのか、公表されている基準がどのように結果を組み合わせるのかを説明します。結果があなたにとって何を意味するかは、診察した医師にしか判断できません。
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主な検査とそれぞれがわかること
すべての人がすべての検査を受けるわけではありません。どの検査を行うかは、症状、最初の検査結果、医療機関で行える検査によって変わります。下の表は、検査の名前と目的を確認するための一覧です。
| 検査 | 調べること | 確認したいこと |
|---|---|---|
| シルマー試験 | 5分間で涙が試験紙をどれだけぬらすかを測ります。公表された基準では5mm以下を低下としています。 | 両目とも検査したか。結果に影響するものを事前に使っていなかったか。 |
| 角結膜の染色検査 | フルオレセインなどの色素で、乾燥による目の表面の傷を調べます。日本の基準ではローズベンガル試験も含まれます。 | どの色素とどの採点方法が使われたか。 |
| 唾液の分泌量 | 決まった時間に出る唾液の量を測ります。日本ではガムテスト(10分間)やサクソンテスト(2分間)がよく使われます。 | 低い結果だったか。服用中の薬が唾液を減らしている可能性はないか。 |
| 血液中の自己抗体 | 抗SS-A(Ro)抗体、基準によっては抗SS-B(La)抗体を調べます。シェーグレン症候群でよくみられますが、健康な人やほかの病気の人にもみられます。 | どの抗体を調べ、ほかの結果とどう合うか。 |
| 口唇腺生検 | 唇の小唾液腺を少し採取し、免疫細胞の集まり(フォーカススコア1以上)があるかを調べます。 | 自分の場合に生検が必要か。誰が結果を判断するか。 |
| 唾液腺の画像検査 | 超音波検査や、日本では唾液腺造影や唾液腺シンチグラフィーで、唾液腺の変化や機能の低下を調べます。 | 画像検査で、すでにある結果に何が加わるか。 |
抗体が陽性でもそれだけで診断は決まらず、陰性でも否定はできません。そのため医師は、1つの結果に頼るのではなく、腺の働きの検査、自己免疫の所見、経過が一致しているかを確認します。
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公表されている基準での結果の組み合わせ方
よく引用される基準は2つあります。2016年のACR/EULAR分類基準は、乾燥症状や全身症状の疑いがある人を対象に5つの項目を点数化し、合計4点以上で基準を満たします。日本の基準は1999年に改訂された厚生労働省研究班の診断基準で、指定難病の制度でも使われ、4つの項目のうち2つ以上が陽性であれば診断されます。
| 項目 | ACR/EULAR 2016(点数) | 日本の改訂診断基準 1999(4項目のうちの1つ) |
|---|---|---|
| 口唇腺・涙腺の生検 | フォーカススコア1以上:3点 | 生検病理組織検査:4mm²当たり1 focus以上のリンパ球浸潤 |
| 自己抗体 | 抗SS-A(Ro)抗体陽性:3点 | 血清検査:抗SS-A抗体または抗SS-B抗体陽性 |
| 眼科の検査 | 角結膜染色スコア5以上:1点、シルマー試験5mm/5分以下:1点 | 眼科検査:シルマー試験5mm/5分以下で、かつローズベンガル試験または蛍光色素試験が陽性 |
| 唾液の検査 | 安静時唾液量0.1mL/分以下:1点 | 口腔検査:唾液腺造影の異常、または唾液分泌量の低下(ガムテスト10分間10mL以下、サクソンテスト2分間2g以下)かつ唾液腺シンチグラフィーでの機能低下 |
| 判定 | 合計4点以上 | 4項目のうち2項目以上が陽性 |
ACR/EULARの著者は、分類基準の主な目的は臨床試験や研究への参加者の選定だとしています。検証では、専門医の判断との一致は感度96%、特異度95%で、少数の人は医師の判断と異なる分類になります。また、頭頸部への放射線治療歴、活動性のC型肝炎、サルコイドーシス、IgG4関連疾患など、シェーグレン症候群に似た状態を起こしうる病気がある人は対象から除かれます。
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セルフチェックだけでは確定できない理由
毎日の目や口の乾きが数か月続いているかといった質問は、国際的な基準の入り口になっているため、気づくこと自体には意味があります。しかし、乾燥はよくある症状で、薬やほかの病気など多くの原因があります。NIAMSは、ほかの原因を調べるために血液検査や画像検査を行うこと、抗体だけでは診断できないことを説明しています。自宅でできる検査やインターネット上の質問票では、涙や唾液の量を正確に測ったり、自己免疫の所見を確かめたりすることはできません。
できるのは受診の準備です。乾燥が始まった時期、頻度、楽になる方法、唾液腺の腫れ、関節の痛み、疲れやすさ、皮膚の症状などほかの症状を書き出しておきましょう。目や口の乾燥を悪化させる薬もあるため、服用中の薬をすべて一覧にし、以前の眼科、歯科、血液検査の結果も持参しましょう。こうした情報は、どの検査が必要かを医師が判断する手がかりになります。
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医師に確認したい質問
次の質問は、検査の計画や、届いた結果を理解するのに役立ちます。検査結果の写しをもらい、経過を追えるようにしておきましょう。複数の診療科で検査を受ける場合も、結果を1か所にまとめておくと便利です。
- 最初にどの検査を勧めますか。その理由は何ですか。
- 服用中の薬やほかの病気が、乾燥の原因になっている可能性はありますか。
- 眼科、歯科の検査や生検は、どの専門医が行いますか。
- 抗体の結果は、腺の検査の結果とどのように合っていますか。
- どの基準を使っていて、私の状態はそれを満たしていますか。
- 結果がはっきりしない場合、次に何をして、いつ見直しますか。
情報源
- Sjögren's Disease: Diagnosis, Treatment, and Steps to TakeNational Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases · 2024出典確認日:
- 2016 ACR-EULAR Classification Criteria for primary Sjögren's Syndrome (Arthritis & Rheumatology)American College of Rheumatology / EULAR (Shiboski and colleagues) · 2016出典確認日:
- 指定難病53 シェーグレン症候群 概要・診断基準等Ministry of Health, Labour and Welfare (Japan)出典確認日:
- シェーグレン症候群(指定難病53)Japan Intractable Diseases Information Center · 2025出典確認日:
- Sjögren's DiseaseNational Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases · 2024出典確認日:
改訂履歴
- 自動化支援により英語・スペイン語・日本語の初稿を作成しました。記事全体について、引用した情報源を2026-10-31T03:07:48Z(UTC)に確認しました。公開・作成には現在の日時を用い、過去の公開日は設定していません。独立した臨床レビューの記録はありません。