要点
- eGFRはろ過量を推定し、尿アルブミンは漏れ出たたんぱく質を調べます。ガイドラインは両方の検査を勧めています。
- CKDは異常が3か月以上続くことで診断されるため、予想外の結果は再検査で確認するのが一般的です。
- 筋肉量、体調、推算式の違いでeGFRは変わるため、同じ単位と方法で比べましょう。
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2つの検査は別のことを調べている
腎臓の検査では、血液検査と尿検査を組み合わせるのが一般的です。血清クレアチニンから計算する推算糸球体ろ過量(eGFR)は、腎臓がどれだけ血液をろ過できているかを推定します。尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)は、腎臓のろ過の仕組みが傷んだときに尿中に漏れ出るたんぱく質、アルブミンを調べます。国際的な診療ガイドラインであるKDIGO 2024は、一方が異常でもう一方が正常に見えることがあるため、リスクのある人には両方の検査を行うよう勧めています。
1回の結果だけで診断が決まるわけではありません。KDIGOは慢性腎臓病(CKD)を、腎臓の構造や機能の異常が3か月以上続く状態と定義しており、予想外に低いeGFRや高いアルブミンが見つかった場合は、再検査で確認してから判断するよう勧めています。このページは、検査結果の項目や区分を医療者と話し合えるように説明するもので、結果があなたにとって何を意味するかは、病歴、ほかの検査結果、医師の評価によって変わります。
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検査結果に出てくる主な項目
検査結果の書式は医療機関によって異なります。下の表で各項目が何を測っているかを確認し、わからない点は医療者に尋ねましょう。健康診断の結果票と病院の検査結果では、表示される項目が異なることもあります。
| 項目 | 示しているもの | 確認したいこと |
|---|---|---|
| クレアチニン(血清) | 筋肉でつくられ腎臓から排出される老廃物で、多くのeGFRの計算の元になります。 | 定期的な検査か、体調を崩しているときの検査か。 |
| eGFR(mL/分/1.73m²) | クレアチニンから推算式で計算したろ過量の推定値で、直接測った値ではありません。 | どの推算式が使われたか。 |
| シスタチンCを用いたeGFR | 別の血液マーカーであるシスタチンCを使う推定値です。米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)は、両方を組み合わせるとクレアチニン単独より正確だとしています。 | 自分の場合、シスタチンCの検査が役立つか。 |
| 尿アルブミン/クレアチニン比(mg/gCr) | 尿中のアルブミンを尿中クレアチニンと比べた値で、尿の濃さの影響を補正します。 | 単位は何か。再検査で確認したか。 |
| 尿蛋白/クレアチニン比(g/gCr) | アルブミンだけでなく尿中のたんぱく質全体を測ります。日本で尿アルブミンを測定できない場合に使われます。 | どの検査が行われ、以前の結果と比べてどうか。 |
異なる医療機関の結果を比べるときは、推算式の違いが重要です。日本腎臓学会は、国際的に使われるCKD-EPI式では日本人の腎機能が過大評価されるため、日本人向けに作られた推算式(JSN eGFRcr)を日常診療で使うとしています。一方、米国のNIDDKは人種を用いない2021年のCKD-EPI式を推奨しています。海外で受けた検査の結果を持参するときは、この点も伝えましょう。
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区分の考え方
ガイドラインでは、腎臓の検査結果を、ろ過量の区分(G1〜G5)と尿アルブミンの区分(A1〜A3)の2つで表します。これに原因疾患を加えたものがCGA分類です。これらは医療者が使う定義であり、目標値や自己診断のための道具ではありません。
| 区分 | 範囲 | 日本腎臓学会の名称 |
|---|---|---|
| G1 | eGFR 90以上 | 正常または高値 |
| G2 | 60〜89 | 正常または軽度低下 |
| G3a | 45〜59 | 軽度〜中等度低下 |
| G3b | 30〜44 | 中等度〜高度低下 |
| G4 | 15〜29 | 高度低下〜末期腎不全 |
| G5 | 15未満 | 末期腎不全 |
| A1 | 尿アルブミン/クレアチニン比 30mg/gCr未満(尿蛋白/クレアチニン比 0.15g/gCr未満) | 正常 |
| A2 | 30〜299mg/gCr(尿蛋白 0.15〜0.49g/gCr) | 微量アルブミン尿(軽度蛋白尿) |
| A3 | 300mg/gCr以上(尿蛋白 0.50g/gCr以上) | 顕性アルブミン尿(高度蛋白尿) |
リスクは2つの数値の組み合わせで決まります。KDIGOのリスク表では、G1またはG2でA1の場合、ほかに腎障害を示す所見がなければ低リスクとされ、その場合はCKDではありません。アルブミンの区分が高くなるほど、どのeGFRの水準でもリスクは高くなります。日本腎臓学会のガイドラインは、日本の保険診療では尿アルブミンの測定が糖尿病などに限られるため、測定できない場合は尿蛋白を定量して評価するとし、0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿に相当)の存在を重要な腎障害の所見としています。
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結果が変わる理由と、経過を見ることの大切さ
どの推算式にもある程度の誤差があり、NIDDKはeGFRがあくまで推定値であることを強調しています。日本腎臓学会のガイドラインによると、クレアチニンは筋肉から産生されるため、長期臥床などで筋肉量が少ない人ではeGFRが高めに、アスリートや運動習慣のある高齢者では低めに推算されます。食事や運動もクレアチニン値に影響します。シスタチンCは筋肉量の影響を受けにくい一方、甲状腺機能、喫煙、炎症、一部の薬などの影響を受けます。
そのため、1回の結果は再検査で確認し、その後は経過を追って判断するのが一般的です。NIDDKは、尿アルブミンが高かった場合に1〜2回再検査して確認することがあると説明しています。以前の検査結果は、日付、単位、使われた推算式がわかる形で保管しておくと、同じ物差しで変化を比べられます。NIDDKは糖尿病のある人に毎年の腎臓の検査を勧めていますが、それ以外の人の検査の頻度は医療チームと相談して決めます。
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受診時に確認したい質問
最近と以前の検査結果、薬の一覧、ほかの医療機関での結果を持参しましょう。次の質問は、数値の意味を医療者と共有するのに役立ちます。答えは書き留めておき、次の検査結果と並べて見返せるようにしましょう。
- どの推算式と、どの尿検査が使われましたか。単位は何ですか。
- この結果は再検査で確認する必要がありますか。
- eGFRと尿アルブミン(または尿蛋白)を合わせて見ると、以前と比べてどうですか。
- 筋肉量、最近の体調不良、服用中の薬がこの数値に影響している可能性はありますか。
- シスタチンCの検査は私にとって役立ちますか。
- 次はいつ検査し、どのような結果なら方針が変わりますか。
情報源
- KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease (Kidney International 105(4S))Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) · 2024出典確認日:
- Estimating Glomerular Filtration Rate: GFR equationsNational Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases · 2025出典確認日:
- Chronic Kidney Disease Tests & DiagnosisNational Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases · 2016出典確認日:
- エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023 第1章 CKDの診断と重症度分類Japanese Society of Nephrology · 2023出典確認日:
改訂履歴
- 自動化支援により英語・スペイン語・日本語の初稿を作成しました。記事全体について、引用した情報源を2026-10-29T03:09:31Z(UTC)に確認しました。公開・作成には現在の日時を用い、過去の公開日は設定していません。独立した臨床レビューの記録はありません。